ひたちなか海浜鉄道

2021年1月31日 更新

 ひたちなか海浜交通は、元茨城交通湊線であり、2008年に継承して発足した。

 JR常磐線勝田駅から阿字ヶ浦駅までの14.3kmを結んでいる。
 全線直通運転が30〜40分間隔であり、勝田〜那珂湊の区間運転が平日朝夕に6往復と土日に1往復ある。朝ラッシュは2〜3両編成で運転するが、それ以外は原則1両で運転する。

 車庫が那珂湊にあり、また阿字ヶ浦に留置線が2線ある。
 現在駅のバリアフリー対応工事が進んでいる。

 業績は回復しつつあり、東日本大震災で一旦大変な目に遭ったが、周辺道路の渋滞が激しく定時輸送できる鉄道が見直され、年間輸送人員100万人を目標に頑張っている。
 今後の予定としては
(1)阿字ヶ浦〜ひたちなか海浜公園3.1kmを2024年に延伸予定。
 2駅(当初3駅予定だったが削減)+阿字ヶ浦駅の交換設備の工事が必要。国の認定事業となり、2022年から工事開始。2024年度中の開業を目指す。ひたちなか海浜公園駅は高架化される予定。
(2)最高速度を向上させる(80km/h)。
 線路と枕木はほぼ対応。しかし他にも必要な工事が多く、実現時期は未定。
(3)平磯〜磯崎に「美乃浜学園」という新駅を設置する。2021/3開業予定。
(4)20分間隔での運転、快速運転を検討中。
 金上、那珂湊、阿字ヶ浦で交換する。GWなどには3連4本が必要で、そうなるとあと6両必要である。中古車を調達しようにも、JR東海にはキハ11はあと4両しかないのだが、それも名松線用に新車が入れば!の話である。快速運転を視野に入れると、加減速性能の高い新車の期待もしてみたい。あとは那珂湊機関区が手狭で、車両をどこに置くかの問題も出てくる。阿字ヶ浦駅構内の余裕を生かして新展開があるだろうか?

 今後がますます楽しみである。キハ205のイベント運転も期待したいところだ。

 車両は以下のとおり在籍・運用されている。

キハ20形(205)
 1965年製。JR西日本→水島臨海鉄道と経て、1996年にやってきた。ワンマン化、トイレ撤去、冷房化がなされている。50年以上経つ今も1年に何回か営業運転に入っている。ひたちなか海浜交通のホームページ(週末列車)で告知されるので、チェックを!

キハ22形(222)運転終了
 羽幌炭礦鉄道の廃線に伴い1970年から1971年にかけてキハ221, 222, 223の3両が同鉄道から移籍。キハ221, 223は既に廃車となっており、キハ222のみが車籍を有している。キハ222は1962年に富士重工製。旋回窓が特徴。非冷房。2015/5で運転を終了し、現在は阿字ヶ浦駅に留置されている。

キハ2000形(2004、2005)運転終了
 2004は留萌鉄道の廃線に伴い1970年にやってきた。国鉄準急色。
 2005は1966年に東急車輌で製造され、1969年に留萌鉄道からやってきた。現在は国鉄急行色。
 ベンチレーターの形状が2車で異なっている。共に非冷房。
 2015/12で運転を終了し、現在は2004は平成筑豊鉄道に譲渡され、2005が阿字ヶ浦駅に留置されている。

キハ3710形(01, 02)
 1995年に01が、1998年に02が新製された。全長は18.5m。コマツDMF13HZを搭載している。車内はロングシート。3710は「みなと」の語呂合わせ。なおキハ205と併結できる。

キハ37100形(03)
 2002年に新製された。3710とほぼ同じだが、ブレーキの二重化などが行われている。

ミキ300(103)
 2008年に廃止された三木鉄道から購入。富士重工業製。UDトラックス製PF6HT03を搭載。最高速度95km/h、全長は18.5m。ブレーキ方式の違いから、ひたちなか海浜交通の他の車両とは併結できず、15mという車体の長さから主に以下の区間列車に単行で充当される。阿字ヶ浦行で見かけたらレアモノ!方向幕は「湊線」である。
 那珂湊5:58〜6:13勝田6:26〜6:41那珂湊7:20〜7:35勝田7:48〜8:00那珂湊(平日のみ)
 那珂湊15:50〜16:05勝田16:18〜16:33那珂湊(毎日運転)
 那珂湊17:36〜17:51勝田18:04〜18:19那珂湊18:23〜18:38勝田18:51〜19:06那珂湊19:09〜19:24勝田19:37〜19:52那珂湊(平日のみ)

キハ11(種車の形式名)
 最高速度95km/h、全長18.0m。カミンズ製C-DMF14HZAを搭載する。JR東海美濃太田車両区に配置され、高山本線、大多線で活躍していた123(新潟鉄工所製)と、東海交通事業の城北線で活躍していた 201, 202, 203, 204(東海旅客鉄道名古屋工場製)の5両がひたちなか海浜鉄道に譲渡された。
 2015年4月末にまず123, 203, 204の3両がトレーラーで搬入され、整備・改造を行い、2015年12月30日から運転を開始した。キハ11-123がキハ11-5、キハ11-203がキハ11-6、キハ11-204がキハ11-7となった。なぜ1〜4が欠番なのだろう?
 こちらもミキ300同様ブレーキ方式の違いから他形式と併結はできないが、3両が運用されるので混雑時には3連を組めそうだ。201, 202は部品取り用らしく、営業運転の予定はないとか。

 以下は現在は運用されない車両です。

トラ1(15, 16)
 無蓋車。倉庫代わりとして使用されている。

ホキ8
 バラスト搬送、散布用貨車。東武鉄道より導入したが、機械扱いで留置されたままである。

キハ203(20469)
 元国鉄キハ20形。2006年まで運転されていた。

ケハ601
 1992年まで活躍した。車体のみ残存する。

 記事を更新しました。
キハ20形(205) キハ22形(222)
キハ205+2004+3710-01 キハ222+2004+3710-01
 JR東海からキハ11が導入されたようで、今後が心配なキハ205。キハ205+キハ2004+キハ3710-01。
(中根)
★ 勝田にて。こちら
★ 中根にて。こちら
★ 那珂湊にて。その1 その2 その3
★ 阿字ヶ浦にて。その1 その2
★ 運転席。その1 その2
★ 側面の様子。その1 その2
★ 車内の様子。その1 その2
 2014/12/6が最後の走行になったキハ222を先頭にした3連。
(中根)
★ 上の編成をケツ撃ち。中根にて。こちら
★ 那珂湊にて。その1 その2 その3
※2015/5で運転を終了し、現在は阿字ヶ浦駅に留置されている。
★ 阿字ヶ浦に留置されているキハ222。色褪せて塗装が落ち始めている。その1 その2 その3
キハ2000形(2004) キハ2000形(2005)
キハ2004+キハ3710-01 キハ2005
 キハ2004を先頭にした2連。2連は原則平日の朝ラッシュのみである。
(中根)
★ 上の編成をケツ撃ち。中根にて。こちら
★ 勝田にて。こちら
★ 運転台。こちら
★ 中根にて。こちら
※2015/12で運転を終了し、現在は平成筑豊鉄道に譲渡された。
 キハ2005。那珂湊駅中線にて、両側をキハ222、保線用車両に挟まれて、運用できそうにない状態だった。故障だと聞いている。
(那珂湊)
※2015/12で運転を終了し、現在は阿字ヶ浦駅に留置されている。
★ 阿字ヶ浦駅に留置された2005。塗装が剥がれ始めている。こちら
キハ3710形(3710-01) キハ3710形(3710-02)
キハ3710-01+キハ2004 キハ3710-01+キハ2004
 キハ3710-01を先頭にした2連。
(中根)
★ 中根にて。その1 その2 その3 その4
★ 勝田にて。その1 その2
★ 那珂湊にて。その1 その2
 キハ3710-02を先頭にした2連。
(中根)
★ 中根にて。その1 その2 その3
★ 那珂湊にて。その1 その2
キハ37100形(37100-03) ミキ300形(300-103)
キハ37100-03+キハ2004 ミキ300-103
 キハ37100-03を先頭にした2連。
(中根)
★ 中根にて。その1 その2
★ 那珂湊にて。その1 その2 その3(塗装変更)
 ミキ300-100。他の車両と併結できないことから、原則朝夕の勝田〜那珂湊の区間列車に使用される。
(中根)
★ 那珂湊にて。その1 その2
キハ11-5(元キハ11-123) キハ11-6(元キハ11-203)
キハ11-123 キハ11-6
 一番左がキハ11-5。JR東海の美濃太田車両区で活躍してきたキハ11-123。2015/3ダイヤ改正で運用を離脱後、ひたちなか海浜交通へ陸送されてきた。営業運転開始にあたってキハ11-5に改番された。写真は左からキハ11-5。部品取り用キハ11-202、右のトラの後がキハ11-6。営業運転の写真をそのうち撮りたい。
(那珂湊)
★ 改造前。那珂湊にて。こちら
 キハ11-6。JR東海事業が保有していたキハ11-203。2015/3ダイヤ改正で運用を離脱後、ひたちなか海浜交通へ陸送されてきた。営業運転開始にあたってキハ11-6に改番された。トラ1の後にいるのがキハ11-6。営業運転の写真をそのうち撮りたい。
(那珂湊)
★ 改造前。那珂湊にて。こちら
キハ11-7(元キハ11-204) キハ11-201
キハ11-7 那珂湊駅
 キハ11-7。JR東海事業が保有していたキハ11-204。2015/3ダイヤ改正で運用を離脱後、ひたちなか海浜交通へ陸送されてきた。営業運転開始にあたってキハ11-7に改番された。2018年1月現在、クリーニング専科ラッピング。
(那珂湊)
★ 改造前。那珂湊にて。こちら
★ 改造後。中根にて。その1 その2
 右側の、屋根の下にいるのがキハ11-201。JR東海事業より部品取り用で購入。ひたちなか海浜交通では籍がない。
(那珂湊)
キハ11-202
キハ11-202  キハ111-202。JR東海事業より部品取り用で購入。ひたちなか海浜交通では籍がない。
(那珂湊)
検査用ジャッキ 保線用作業車
ジャッキ 保線用車両
 車両の検査に使うジャッキ。  保線用車両。形式名等不明。
(那珂湊)
★ 那珂湊にて。こちら
貨車
保線用車両 トラ1
 何を運んでいるのだろう?形式名等不明。
(那珂湊)
 トラ1-15, 16。2016年訪問時はカバーをかけられて未使用。
(那珂湊)
★ トラ1-15, 16。2018年訪問時はカバーがなかった。こちら
ホキ8 ホキ8
 ホキ8。上から覗き込むことができた。
(那珂湊)
 ホキ8。
(那珂湊)
★ 那珂湊にて。こちら
キハ203(20469) ケハ601
キハ203(20429) キハ601
 キハ203。元国鉄キハ20形。2006年まで活躍していた。現在では日曜日に車内が公開されている。
(那珂湊)
★ 那珂湊にて。こちら
 ケハ600形601。1992年まで活躍した。現在では車体のみ残存し、日曜日に車内が公開されている。
(那珂湊)
★ 那珂湊にて。こちら
那珂湊駅
那珂湊駅 那珂湊駅
 那珂湊駅を望む。もう動かない車両たちと、これからの車両たちが佇む。
(那珂湊)
 JR東海の駅のように見えてしまう。
(那珂湊)
那珂湊駅 那珂湊駅
 残念ながら駅ねこたちはパトロール中?だった。
(那珂湊)
★ もう1枚はこちら。ネコは2018/1現在外出禁止中で見れない。
 那珂湊駅は立派なバリアフリー対応駅に生まれ変わった。
那珂湊駅 那珂湊駅
 駅名札がお洒落なものに変わった。後は茨城交通バスの車庫。  改札口にある路線図。
那珂湊駅  那珂湊駅から歩いて10分のところに市場がある。大勢の人で賑わい、道路は大渋滞。駅から歩いた方が早い。
高田の鉄橋 阿字ヶ浦駅
高田の鉄橋 那珂湊駅
 住宅が増えて設置された新駅。国道245号線が屋根になり、雨に濡れずに済む。  無人駅だが、1面1線だが脇に1線分用地があり、交換可能駅に昇格できそう。また構内には2線分留置線もあり、1線にキハ222+2005が留置されている。